6月2日 学校という場で自分が使えるお金を確保する方法④

前回の続き・・・

 

保護者の方からのせっかくの情報なので、電話をしてお会いすることにしました。

ダンサーってどんな感じの人だろ?・・・いやあ、ドキドキでした。

で、お会いしたのが、やすなみずほさん。ヒップホップもバレエも踊れるという方でした。お話して意気投合。やすなさんと含めて3人のダンサーに来ていただくことになりました。

で、さらに新聞で、野村誠さんという音楽家の活動を知ることになりました。こちらも連絡を取り、野村さんを呆れさせる私の無鉄砲な依頼を面白がって会いにきてくれました。こちらも野村さんを含めて3名の音楽家に来ていただくことになりました。

 

さらに、この年、学校の音楽鑑賞会にジャズピアニストの穐吉敏子さんをお招きしようと動き始めました。コンサート前の楽屋を訪ね、話をさせていただきました。その場で快諾いただき、その後は、ファックスでアメリカの穐吉さんと打ち合わせを続けました。謝礼金を稼ぐために(笑)、ソニー教育財団に2回目の応募。無事、優良校に選ばれ、教育資金20万円を手に入れることができました。

 

まだあって、この年、京都で何か大きなアートフェスティバルみたいなものが催されることになっていて、たくさんのアーティストが京都に来ることになっていました。そこで、学校からこのアーティストにこんなことをしてほしいという企画を出すと、何校か来ていただけるという要項が学校に届きました。

ならばと、企画を書いて送りました。依頼したアーティストは、日比野克彦さん。見事、企画が通り、学校に来ていただけることになりました。

 

こんな風に書いていくと、うまく行き過ぎと思われるかもしれませんが、一つずつの企画には私なりの戦略がありました。

 

まず、やすなさんや、野村さんへの謝礼は、学年鑑賞会とCECからの資金を充てました。当時、学年は4クラスで150名くらいの児童がいましたので、一人200円徴収すれば3万円くらいの謝礼なら支払い可能だったのです。CEC絡みの活動に組み入れることで、そちらからもお金が少し使えるようになりました。

 

ソニー教育財団は、前年度、努力校に選ばれました。応募したことによって、その年の入選校の論文を見ることができました。すると、「ああ、そうか。こういう観点で書けばいいのか、ここが足りなかったな」といったように、対策を練ることができたのです。試験と一緒です。つまり、

 

「傾向を知り、対策を練る」

 

ということが大事なわけです。こうすることで、書くときに「優良校に選ばれるために必要なこと」を整理し、意識しながらまとめていくことができました。ですから、書き上げた時、私なりの自信は持てたのです。

 

この時の気持ちは、以前、ブログに書いていました(2011年の2月のものです)。ちょっと紹介します。

 

無事、ソニーの教育論文の賞をいただけて、20万円のお金をいただくことができました。じゃあ、落選してたら、どうするんだいってことになりますよね。
だけどね、こう思ってたんですよ。
落選したら、その時に、また違う方法を考えようって。
まず、できることをする。駄目なら、また方法を考えようってことです。
振り返ってみれば、私が、そのようなことを考えるに至ったのは、孫正義さんの本にありました。
題名も忘れましたが、私が記憶している心に刺さった内容は、
「この先どうなるかわからない現代を泳いでいくには、まずは、指針を与えてくれる人を見つけること」だと。
私が選んだ人が、藤川大祐先生(千葉大学教授)だったのです。
藤川先生の「糸井さん、まずはやってみようよ」という後押しが、私の行動の支えだったのです。
それから、その時期に読んだ本。ソニーの仕事の仕方か何かの本だったのですが、その中に、こんな内容が書かれていたのです。
ソニーでは、できないことの理由が言えた時点で、それはできることになる、と。つまり、お金がないからできないということは、その時点でできることになる。つまり、お金をつくればいい、と。」
だから、お金がない状態になった時、素直に私は、つくればいい・・・と、自分に言い聞かせたのです。

 

それから、企画を立てる時に考えたことがあります。この考えは、今もずっと私の根底にあります。それは、

 

異質なものを組み合わせることで、新しいものを創り出す

 

ということです。

日比野さんへの企画を考える時、こう考えました。他人と同じような企画では落とされる。どれだけ他人と違った目を引く企画を考えるかだな、と。

日比野さんは私たちの年代では「段ボールを使ったアート」が有名な方です。そこで、「モノ作り」に「音楽」という異質なモノを加えたら、と考えたのです。ですから、依頼テーマは「音楽をアートする」でした。モノ作りと音楽を組み合わせる企画です。この企画に応えて日比野さんは「時の音」という授業をして下さいました。

 

異質なものを組み合わせる。私は企画する時に「時代のニーズ(流行)」に「自分のやりたいこと」をミックスすれば、自分だけのオリジナリティ溢れるものを創り出せると考えたのです。

 

ちょっと長くなりました。今日はここまで。

今日は久しぶりに学校帰りにBALというファッションビルへ立ち寄り買い物。懐かしいなあ。で、路地に入って、その昔、ジャズ喫茶があった場所に足を運ぼうとしたら、こんなお洒落な写真が目に入ってきました。

 

いいなあ・・・。