5月18日 授業を持つことの意味

今年は、高学年の算数を週に1時間担当している。

4クラスあるので、週8時間だ。

昨日は、若い先生に

「糸井先生が算数の授業をしているのって凄い違和感なんですけど・・・」

と言われました。

まあ、勤務校では高学年の社会科しか担当していなかったので(笑)。

 

この週1時間の授業を受けるにあたっては、かなり悩みました。

「何ができるんだろう」って。

これは、大袈裟に言うと自分の授業観を問い直すことになった感があります。

 

で、結果から言うと、やっぱり自分が社会科の授業をしていた時と同じところに落ち着きました。

それは至ってシンプル。

「算数って楽しいなって思える子どもたちを育てるための時間にしたい」ってこと。

 

社会科の授業をしていた頃、保護者の方からこんな声をよくいただいた。

「夕食のときに、その日の授業のことを話してくれるんです」

「週末になると、歴史で学んだ場所に連れて行ってほしいって子どもに言われて、最近は家族で寺社仏閣巡りです」

楽しいって思った子どもたちは、もう進んで学び続けますから・・・。探究っていうのも、そこが肝なんじゃないかな。

 

で、算数です。

最初の15分はいわゆる普通の授業。指名しながら確認をしていく時間。

で、次の15分は3人グループで、相談しながらプリントに取り組む時間。裏面に答えは記してある。だけど、ここに超難問を1問出していて、それは「解答は次週!」と書いておいてある。

時間切れのまま、最後の15分は一人で「たしかめプリント」を行う。

こういった流れで、毎回、授業を構成している。

 

先週あたりから変化が起こり始めた。

グループでの話し合いが活性化してきたのだ。分かった子が「これはさあ」と積極的に説明を始めたり、分からない子が「教えて」と声を上げ始めたり・・・。

で、私は絶対に授業時間を延長しないので、当然、超難問は解けないまま終わることになる。それに粘りだす子が増えてきたのだ。

今週は、教室に行くと授業が始まる前に寄ってきて、

「なあ、先生。あの難問の答えって、〇〇なんじゃないの」

「おーっ、よく分かったなあ。凄いやん」

「あのさあ、お母さんと一緒に考えてみたんだ。また、今日も出す?」

「ああ、今日も1問あるよ」

「よっしゃ!」

この男の子は算数が嫌いやと言っていた男の子。

別のクラスの女子。4時間目の授業後、机の周りに数人で集まってまだ解いていた。

そして、放課後。

教員ルームまでやってきて、

「解けたと思うんですけど、見てもらえますか?」

と言ってやってきた。

見事正解だった。きっと、昼休みも数人で考えていたんだろう。

そう、これが私がやりたい授業が。

今、のめり込めているのはクラスに5~6人。これが10名程度になったら、いろんなことが大きく変わる。その時は、また授業構成も変えていくつもりだ。

 

 

気がつけば、もう夏のような暑さの毎日。

さあ、明日もがんばろう!