7月6日 今学期、三回目の学校視察へ

今年は、主任者研修を担当している。とは言っても私立校なので、本校勤務が3年目未満の方が対象。結果的はベテランの方もいらっしゃるのが現状。

当初は、基本的な授業のことを学んでもらおうかとも思ったのだが、それではベテランの方が退屈だろうしなあと思いとどまる。

研修費もたっぷりいただけるようなので、まず一学期は、みんなでいくつかの私学の授業を見に行こうと考えました。そうすることで、客観的に本校の強みや弱みを感じることができるだろう。更に力ある教師の授業を参観させていただければ大きな学びになるだろう。最後に、閉塞感の強い(これは私が思っているだけかも)私学で、外の空気を吸いに出ることも大切だろうと・・・。

 

で、1回目は、以前、このブログにも書いた関西学院初等部へ行き、宗實先生に授業を見せていただいた次第だ。

で、今日が3回目(2回目は私が一人で出かけて行った・・・)。

今回は、学校名は書かずに授業のことを振り返ってみたい(ちょっと学校名を書くのはまずいようなので・・・)。

今回の参観授業も社会科。私が社会科を中心に研究、実践してきたので、どうしても社会科繋がりとなってしまうのです。

授業者からは事前に「糸井先生、たいした授業はできませんが、子どもたちの姿を見ていただければと思います」という言葉をいただいていた。

いい言葉だなあと思いました。この時期、しんどい学級は問題続出となり、うまくいっている学級は積み重ねてきたものがうまく定着し安定した状況となる(あっ、そうか良くも悪くも積み重ねてきたことが実を結ぶということか・・・)。

 

授業は、二人の女の子が「サンゴ」と「二千円紙幣」を持って来ていて、それを「回覧したら」と先生が言われ、ちょっとザワザワした感じでスタート。

いいなあ、と思いました。通常、参観授業となれば指導案通りに進めたいという思いが先に立ち、想定外のことは「後にしようか」といった感じで外してしまいがち。

どうやら、この女の子たちは前回の沖縄の授業を受けて、家にあった沖縄にあったものを持ってきたようでした。ほんの数分でしたが、この2人の女の子は「すげー」などといった言葉を友達からもらい、ちょっと嬉しそうでした。このちょっと嬉しそうがとても大事。このちょっとを積み重ねていくことが、この先、大きな違いを生むのだから。

 

授業は、終始、ゆったりした感じで進められた。

このゆったりというのは、子どもたちに「委ねる部分が多い」ことからくるのだろうなと思う。たとえば、私なら「はい、じゃあ5分間いつもの4人組で話し合おうか」といった指示を出すだろう場面で「じゃあ、近くの人と相談しようか。あっ、立っていどうしてもいいよ」「えっ、もう少し時間がほしい?じゃあ、あと3分ね」といった感じだ。

配布された資料も読み取りにくいかなあ、うーん、私ならジグソー法を使うかもと思ったりしながら見ていたのだが、学級で意見を出し合う中で、子どもたちの興味や疑問が焦点化されていき、授業が進むにつれ、発言者が増えていった。

授業後にうかがうと、子ども達への発問をきっちり決めずに、子どもたちの発言から言葉を拾い、議論を焦点化させていくようにしているとのことでした。

なるほど、教師主体の授業を子ども主体の授業に変えていくには、こんな切り口もあるのだなあと思いました。

結局、チャイムが鳴っても発言したい子が何人もいて、数人の発言がチャイム後になったのだが、子どもたちの集中力が途切れることはなかった。

 

授業を見せていただいて、「子どもたちの姿を見ていただければ」という思いがよく分かりました。そして、それは私が初任者の先生方に見ていただきたいことでもありました。

つまりは「積み重ね」です。今日の姿になるまでに「何を積み重ねてこられたのか」を想像し、学び取ることです。

授業後に「じゃあ、今日の授業をロイロでまとめて、後で出してね」「先生、ダイレクトでもいいですか」「いいよ」というやり取りがありました。

ロイロノートを使って意見を書くというのは、今や全国の小学校で自然に行われている方法ですが、授業後に、このことについても触れていただきました。

ロイロノートにまとめて出してもらうことで、もうノートを集めて見るという作業もなくなりましたし、子どもの考えたことが全て残っていくのですごく便利です。また、ダイレクトというのは直接ロイロノートに書き込む方法で、私のクラスでは通常は、ノートに鉛筆で書いてそれを写真に撮って送るようにしています。

そして、それをもとに授業者は「座席表」に子どもたちの学習状況を打ち込んだものを授業前に私たち参観者に配ってくれました(個人情報ですので授業後にお返ししました)。

まだまだ紹介すべきことはありますが、とりあえずはこのへんで・・・。

いい勉強をさせていただきました。

 

いい授業を見た後は気分もいい。帰宅途中、行きつけのレコードショップに立ち寄り、今日も一枚購入。

 

 

ウィントン・ケリーの代表作。「KELLY GREAT」は、1959年、私が生まれた年のセッション。このメンバーで演奏して悪いわけがない。ゆったり気持ちいい音楽です。