7月13日 たまには自信を持ってもいいか・・・

私は教育に長く関わっているが、自分の力量に自信はない。

自信がないから、それを励みに本を読み、実践を重ねてきた。

だから、自信たっぷりで授業される先生を見るたびに驚いてしまう。

失礼ながら、なぜその程度の実践でそこまで自信が持てるのかと・・・。

 

何度か書いてきたが、今年、私は高学年のクラスの算数を週1時間授業している。

私をよく知る方は「糸井先生が算数って、何だかすごい違和感ですけど・・・」とおっしゃる。

私も授業してほしいと言われた時、「えっ、算数ですか?」と驚いた。

本校に赴任してからはずっと社会科専科でしたから。

でも、やるからにはと目標を立てました。

それは子どもたちに「何か知らんけど算数楽しいわ」と思わせること、です。

 

さいしょは、ほんとに誰も解けなくて、考えるのもいやそうだった子どもたちが、5分、10分考えられるようになって、学級の3分の1程度の子どもたちが中学校入試問題レベルの問題に前向きに取り組めるようになってきました。

これが、6月中旬あたりの話。

 

で、今週、一学期最終の授業の学級もありました。

時間内に解く子どもが出てきて、そんな子は「やった!」と思わず声を漏らしていました。また、「先生、考えるのがちょっと楽しくなってきたわ」と言ってくれる子も出てきました。

 

私の授業は、授業時間を延長することはありません。そして、授業終了後に、私が教室に残ることもありません。授業が終わるとサッと教室を出ることにしています。

今日は、何人かの女の子がそんな私を追いかけてきました。

「先生、一学期に授業で使ったプリントなんですけど、いろいろメモしちゃったので、新しいのがほしいです。」

「えっ?どのプリント?」

「全部ほしいです。」

「全部って、どうするの?」

「夏休みに、もう一度、挑戦してみたいです。」

「えっ?もう一度やるの?」

「何か、もう一度、じっくり考えたら、できる問題もあるかもって思って・・・」

「・・・すごいなあ。嬉しいわ。じゃあ、用意するわ。」

「ありがとうございます。」

まあ、数人です。

でもねえ、4月には想像もできなかった。

もちろん、担任の先生の学級経営あってのことです。

でもねえ、やったじゃん、たまには自信を持ってもいいか・・・という終わり方でした。

教師が語るのは、子どもの事実だと思っている。

1年終わった時には、

「糸井先生って、算数の先生ですよね」

と言ってもらえるようにがんばろうと思っています(笑)

 

今日は、佐藤正寿先生から献本いただいた本を読ませていただいている。

やっぱり凄い。

今年は佐藤先生にお越しいただいてたっぷり学ぶ機会を持ちます。

佐藤先生とゆっくり飲みながら話せると思うと、それだけで幸せだ。

私の教師人生で誇れるのは、何人もの優れた先生方とそういうお付き合いができたことなのだと思っている。