セミナー会場へ向かう電車の中で「スピノザの診察室」(夏川草介著・水鈴社)を読み終えた。読み終えるのが残念になるほど心に刺さる一冊だった。
その中の一節
「天下の洛都大学に、人材はいくらでもいるんでしょうに、今さら・・・」
「本当にいくらでもいると思うか?」
「確かに医局にも、ほどほど頭のいい奴はいるがな」
「医者として優秀で、忍耐力と洞察力を備えた上に、行動力と良心を持っているやつはなかなかいない」
「そんな医者は、日本中探したって、そうそういませんよ」
そうか、私はそういう「医者」、もとい「先生」を探しているのか・・・と思った次第だ。そして、今日、登壇いただくお二人の先生はまさにそういった先生なのだと。
セミナーは言うまでもない。素晴らしかった。
私は、今まで200回とまではいかないものの、それに近い数のセミナーを運営してきた。セミナーの参加は決して強要するものではないし、個別に「来てみない」といった声掛けをすることは控えてきた。
が、今回は、数人の方に「来てみませんか」とお声掛けをさせていただいた。それは、私が期待している先生に、是非とも鈴木学級の授業を実際に見てほしかったのだ。私の脳裏に決して消えることなく残っていた、そして追い求めていた授業の、いや子どもの姿を見てほしかった。
それは、これからどのように学校が変わっていこうとも、残していかなければならないものだと思うのです。
会場には、我が家の廊下のオーディオセットを持参しました。私の思い描いていたデュオの音楽を会場の皆さんにお聴きいただくために。流した音楽がキース・ジャレットの「ジャスミン」というCDです。キース・ジャレットのピアノとチャーリー・ヘイデンのベースからなるデュオアルバムです。キースジャレットが鈴木先生、チャーリー・ヘイデンが宇野先生といったところです。是非、お聴きください。1500円もかからず手に入るアルバムですから。
2年をかけて、無事、出版というゴールにたどり着くことができました。
これで終わり?
そんなわけがありません。ここからまた新たな展開を考えています。
どうぞご期待ください。
そうそう、会場に用意いただいた「心を育てる」(鈴木恵子・宇野弘恵著・東洋館出版社)50冊は、完売しました。
セミナーに参加いただいた皆さん、本当にありがとうございました!