6月3日 学校という場で自分が使えるお金を確保する方法⑤

踊り、歌い、楽しそうに毎日を過ごす子どもたちが、次に言い出したのは、

「私たちのオリジナル曲をつくって、その曲に合わせて歌い、踊りたい!」

というもの。

いやいや、何言ってるの。それはさすがに無理でしょ。曲を作るって、どうやって作るの?

それで、藤川先生に、

「子どもたち、こんなこと言ってるんですけど・・・」と相談すると、

「いいじゃないですか。作ればいいじゃないですか!」

「いやいや、そんなの作れませんよ」

「どうして?」

「どうしてって・・・作り方分からないですよ」

「・・・・じゃあ、僕が学校に行って、作り方を教えますよ」

「えっ?!」

しばらくして、藤川先生が来校。音楽室で、授業が始まりました。

びっくりしました。いきなりピアノを弾きながら、最新のヒット曲を歌い出されたのですから。

 

藤川先生が授業して下さったのは、一口で言えば「コード進行による曲作り」でした。

基本のコードの流れを使うことによって、曲をつくることができる。音楽家はその基本コードにちょっと複雑なコードを組み込むことで、独特の曲想をつくっているといった感じ。

最後に、この日のために書いてきて下さった歌詞を子どもたちに見せ、

「この詩にあう曲をみんなでつくってみて!2番の歌詞はみんなでつくるといいよ」

「はい」

 

この日、授業参観されていた先生方からは、

「糸井さん、大丈夫?これで本当に曲がつくれる?」

と心配の声が上がったが、

「はい、大丈夫だと思います。私も少しギターが弾けるのでコード進行の話はよく分かりました。そして、何より、子どもたちがやる気一杯になったみたいですしね」

と答えました。

 

この時の歌詞です。

 

            Our Future


(A)春の太陽がすこしまぶしいね  さよならがまだ信じられない とても悲しいね
(Ā)の教室でみんなと過ごした  長かった時間終わるんだよね  とても寂しいね
(B)笑ったこと 怒ったこと 思い出のアルバムに並べ  これからは一人で歩く  
(C)未来に向かう道の スタートラインで出会った  仲間達の輝く笑顔 この胸にしまおう

 

(A)(Ā)(B)(C)というのは、この後の私の授業で、Aメロ、Bメロ、Cメロという3つのメロディを作れば、1曲できると説明したものです。

私が基本のコード進行をギターで弾き、歌詞を見ながらイメージしたメロディを笛で吹いてみて確かめる。その後、それぞれ発表し、みんなで聴き合いながら一つに絞っていくという授業です。

 

どれくらいかかったかなあ。毎日、家でもああでもない、こうでもないって考え続けていた記憶はあります。だから、この曲を私は今でも歌えますし、娘もなぜか歌っていました(笑)。

 

3つのメロディが仕上がり、みんなで歌った時は、感動しました。

「やったーっ!」

です。ところがねえ、子どもたちは、まだ、こう言ったのです。

「やったあ!・・・で、先生、この曲の伴奏はどうなるの?」

「えっ?」

「だって、先生のギターだけじゃ、踊れないよ。ドラムだとか、ベースの音だとか・・・。」

「えっ?」

 

で、以下、次号へ続く。

 

で、CECのホームページに記録が残っていました。

 

http://www.cec.or.jp/es/E-square/gakko/h12houkoku/20_36.htm

 

話は変わって、先週実施したワークショップの様子が新聞に紹介されました。